イブキと名がつくものは、伊吹山に由来して名付けられたためだが、必ずしも特産種であるわけではない。
このイブキトラノオもそのひとつで、イブキと名前がつく花の中で最も広い範囲で見ることができるものだと思う。
山地から高山まで生えるが、よく目にするのは亜高山帯から高山の草原が多いように思う。
長野県の栂池で見たものは、伊吹山のものよりひと回り大きかった。生育環境によるものだと思う。
伊吹山では頂上付近の草原に多く見られる。
上の写真は頂上の南斜面、崖のすぐ手前に生えていたもの。向こうの山並みがちょうど雲の影になり、いっそうイブキトラノオが力強く映えた瞬間だった。
逆に左の写真のように、イブキジャコウソウの群落の中で咲いている姿は女性的な印象がある。
対称的な雰囲気だが、どちらもイブキトラノオらしい光景だ。
7月中旬から8月初旬ころまで見ることができる。
写真上:1999年7月 Canon New F-1,
90mm
下:2010年7月中旬 Canon EOS-5DⅡ, 189mm,
f4.5